通り過ぎていく

喉の下に、
黒い「もや」が、
いや「ケムリ」が、
たまっているから、
おれはそいつを、
吐き出そうと、
深呼吸をするけど、
そのたびに、
頭の中では殺気立つし、
体は力が抜けるし、
やっぱり春だし、
体の中と外気との区別がつかなくなるわけで、
なつかしいような、
うれしいような、
桜の花びらのように、
風がおれを運んでいくんだ

たどりついたのは、
どこ?
ここはどこ?
考える間もなく、
またとばされていくわけなんだけど、
黒いケムリはいまだ消えず、
いっそのこと体ごとひきちぎられて、
直接出ていくのを待って、
そう待ってるだけだけどさ、
こんなことを考えてるんだ

「桜ってなかなか散らないなあ」
はかないのは、
華やかさを求めるからなのに、
おれはそれを美しいと感じて、
やまない

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